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2014年11月11日火曜日

サンライズ瀬戸号「シングル」を利用してみました。

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サンライズエクスプレスで四国へ行きました。前回はサンライズ出雲号で「ノビノビ座席」を利用したので、今回は個室をばと「シングル」にしました。今回は熱海〜坂出間での利用です。


なぜ熱海からか?

勘の鋭い方ならすぐにお分かりだと思いますが、「乗り継ぎ割引」適用のためです。適用される条件については省きますが、小田原~熱海間(もちろん東京~熱海などでもいい)を当日の新幹線に乗車するだけで、サンライズ瀬戸号の特急料金が半額になります。もし高松まで利用するとして、時間に余裕があってお金を節約したいのであれば、東京〜高松間の乗車券、小田原〜熱海間の新幹線自由席特急券、熱海〜坂出間の各種寝台券で買うと安くできます。

ここで一つ疑問。この乗継ぎ割引が適用された状態で、松山方面へ向かう特急(他の方面でもいい)に乗り継ぐ場合、こちらも割引になるのでしょうか。時刻表の後ろページに書いてある説明を見ても、このケースは書かれていません。今回は今治まで行くので、お高いA特急料金が半額になれば大変助かります。
結論からいうと、割引が適用されました。窓口の駅員さんも悩んでいましたが、乗客有利の考えでも働いたのでしょうか。ありがたいです。


熱海駅へ

乗継ぎ割引適用のためのこだま号で熱海に着いたのが22:55。サンライズが来るまでまだ30分もあります。この時間の熱海駅はガランとしており、それは駅前のにぎわいも同じでした。
サンライズ号は車内販売がありませんので朝ご飯を買い込もうと思いましたが、見渡す限り開いているのが駅前のコンビニのみ。仕方なく入店するとなかなかの盛況で、お客さんが入れ替わり立ち替わりしています。店員さんも忙しそうです。
Atami Station Square

買い込みが終わり駅の発車標の目をやると、残すは伊東線の列車と東海道線の列車ぐらいです。あれ?なんだか違和感に襲われもう一度見ると、なんと発車標に285系のピクトグラムが描かれているではありませんか。遠目で見ても一目で分かるこの見事なドット打ち。なんと愛らしいことでしょう。ホーム上の発車標だけでなく、改札口上の発車標にも描かれており、なんとも優しい気分になれました。
Platform displays at Atami Station

乗客は自分を含め3名。今か今かと待っています。


いざ乗車

23:20頃、今宵の宿が静かに入線してきました。窓から顔を出している車掌さんの「お待たせしました」の声に「いえいえ」と答えていると完全に停止、扉が開きました。
Sunrise Express at Atami Station

私の席は5号車12番。車掌室の隣から乗車し、ノビノビ座席を通り抜けると、6号車との繋ぎ目ギリギリの車端部に個室がありました。向かいには11番の席。こちらも同様シングルです。
今回の12番が車端部にあるとは知らなかったので、少し落胆しながら扉を開けると、ずいぶんと開放感のある個室が眼前に広がりました。広さは普通だと思いますが、高さがあり、ベッドの上に170後半の人間が優に立つことが出来たのは驚きでした。
Sunrise Express "Single room" 01Sunrise Express "Single room" 02

キャリーケースをベッドと壁の隙間に置き、携帯の充電器をコンセントに挿そうとしていると、「こんばんは、車掌です」と検札に来られました。すかさずきっぷを用意し、シャワーカードが欲しいと伝えると、「タオルは売り切れですがいいですか?」「えぇ、大丈夫ですよ」お土産として人気なんでしょうか。

その後、一つだけあるハンガーに衣服を工夫しながら掛け、備え付けの浴衣に着替えました。この浴衣なかなかのショートで足を露出する形になり、ツイッギーはどんな気分でミニスカートを履いていたのかと要らぬ関心を寄せました。


シャワーを浴びる

静岡を出発してしばらく経った0:30頃、シャワーを浴びに3号車へ向かいました。サンライズ号のシャワー室にはシャンプーとボディソープが備え付けられているので、タオルと着替えがあれば十分です。また3号車にはシャワーのほか、ミニサロンもあります。
さすがに時間も遅いし空いていると思っていましたが、なんと3人も立って待っている方が居られます。隣のミニサロンで待とうにも8席の内、7席が埋まっている状態。深夜なのに大盛況です。
空いている1席に座り待っていましたが、シャワー時間は6分で、前後合わせて10分としても、最低でも30分待たなきゃなりません。これはいかんと思いまして、出雲編成のシャワーに向かうことに。

先ほど来た道を戻り、自分の個室も通り過ぎ、通路のアップダウンを幾度と経験し、揺れる車内に足元をおぼつかせながらやっとの思いで10号車に到着。こちらは瀬戸編成とはうって変わり静寂そのもの。シャワー待ちはおろか、ミニサロンにも誰もいません。
これはしめたと即入室。脱衣所の広さは京間1畳ほどでしょうか。靴を脱ぐスペースや衣服を入れるかご、鏡、ドライヤーがあります。機械にシャワーカードを入れ、使用可能状態にし、素っ裸になりシャワーを浴びます。このシャワー室は他で経験したどの列車よりも広く感じられます。はじめの数十秒は好みの温度にするのに苦労しましたが、その後は順調に出す・止めるを繰り返し、有意義に6分間を使い切りました。脱衣所で服をまとい、ドライヤーで髪を乾かしながら、シャワー室の洗浄ボタンを押し、退散。シャワー室は30分間というルールがありますが、20分もあれば事足ります。通路へ出ると、入室前と同じく静寂のままでした。「うん」と気合いを入れ、自室の5号車まで。


就寝

自室に戻り一息ついていると、強いブレーキが掛かりそのままの勢いで停止直前に緩めて停車。JR東海でもこんな運転をするのかなと感心しながら窓の外を見ると、ここは浜松駅でした。下りの夜間最終停車駅で、浜松を出ると次は姫路まで客扱いがありません。停車時間はわずか、すぐに発車しました。

さすがに夜も遅いので、備え付けのタイマーをセットし、ブラインドを閉め、ベッドに横になり、照明を落としました。シャワーを浴びてほどよく温まった体が気持ちいいのですが、何せ12番は車端部。いくら大幹線・東海道といえど、ポイントは多いし、列車の速度は速いので、かなりの揺れがあります。その揺れは棚においている携帯が滑り落ちるほどです。

それでも疲れというのは偉大で、気がついたら眠っていました。


目覚め

遠くで聞き覚えのないアラーム音が鳴っていました。うるさいなと消すときに見た時刻は6:22。ちょうど起きる時間です。身勝手なもので、自分でセットしておきながら「うるさい」と思われるんですから、アラームも大変でしょう。
寝ぼけ眼をこすりながら、布団の中でぐずぐずしていると、まもなく岡山駅到着とのこと。この列車に乗って初めて聞いた放送です。
ほどなくして岡山駅に停車。外は出雲号との切りはなし作業の見物でさぞ賑わっているだろうと想像しながら着替え。
発車後洗面に向かいました。しかしこれが間違いで、瀬戸大橋線は高規格ですが、宇野線区間はポイントが多くかなり揺れます。終始壁にもたれながらの洗面でした。
自室に戻り身支度を済ませていると児島駅に停車。ここから高松まではJR四国の乗務員に変わります。
Kojima Station


「サンライズ」を見ながら四国へ

列車は児島駅を発車。まもなく瀬戸大橋を渡ります。この列車の名称にもなっているサンライズ(=朝焼け)は、瀬戸大橋の人工物と合わさって、一層魅力的に見えます。私もサンライズを眺めるために荷物を持ってデッキへ。この日はあいにくの曇り模様だったためそこまでキレイではなかったですが、すみきった青空ではさぞキレイでしょう。
Sunrise in Great Seto Bridge

瀬戸大橋を渡り終えると列車は宇多津駅の短略線へ入ります。このあたりは高速のJCTを走っているみたいで好きです。

まもなく列車は四国初めての停車駅である坂出駅に定刻で到着。私はここからいちづち1号に乗り継ぐので下車しました。終点まで乗っていたいのはやまやまですが、高松まで行って戻ってくるとなるとかなりのロスになるのでここでお別れです。
坂出駅は2番のりばに入ります。乗り継ぐいしづち号は1番のりばから発車するので、対面乗り換えとなり大変便利です。

発車するサンライズ号を見送ると、隣の1番のりばは朝ラッシュの真っ最中。大勢のお客さんが高松行き列車を待っています。
Rush hour at Sakaide Station

いしづち1号の接続時間は40分ほど。その間、ホームでは列車が来る度にお客さんが入れ替わるのを眺めていました。


所感

サンライズエクスプレスが登場して早十数年。未だ衰えを感じさせぬこの内装は見事というしかありません。今回利用したシングルも必要にして十分な設備が整っており、ベッドと壁の隙間にキャリーケースが置けたのは予想外でした。荷物が片付くだけでも気持ちが違います。
一つ言うなら、シングルの棚が狭いこと。せめてノートパソコンが安定して置ける広さがあるとさらに快適なのでしょうけど、それならA寝台に乗れと言うことなのもわかるので声高にいえません。また5号車12番はモーター車にあるシングルなので、気になる人は寝るのが難しいかもしれません。

いくつか欠点もありますが、7560円だと考えれば及第点だと感じました。


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3 件のコメント:

  1. 乗り継ぎ割引ですが、この場合どちらかを高い料金だけが割引されるのが正解です。
    JRの駅員さんは誤りです。
    参考https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/03.html(新幹線と在来線の乗継割引)
    この説明では、「新幹線をはさんで、在来線の特急・急行列車を乗り継ぐ場合は、在来線のいずれか高い方の料金が割引となります。」となっており、新幹線をはさんでいませんが、上記の取り扱いが援用されます。(私の場合そうでした。)
    もし、どうしても割引を受けたい場合には「サンライズ瀬戸」の特急券・寝台券をどちらかの停車駅で分割して発売してもらうことになります。(別の寝台になってしまいますが。)=寝台は重複予約できません=一つの寝台は一度予約されると、もし途中駅で空席になっても残りの区間の予約はできません=寝台装具(枕や毛布灯)の問題=途中で取り換えることができないので。

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  2. 「新幹線と在来線特急の乗り継ぎ割引」でサンライズの特急料金が、「サンライズ瀬戸と四国島内の特急の乗り継ぎ割引」でいしづちの特急料金が、それぞれ半額になりますよ。駅員さん・・・と言うよりマルスの発券が正しいです。すべての指定券を一括発券すれば、適用可能な割引を適用して発券されます。

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  3. JR四国内では、高松〜松山のトク割切符を発売してます。この区間は、高速バスや自動車を利用した移動などと競合していて割引率が高いです。途中下車前途無効で、購入区間は長くはなりますが、もしかしたら東京〜坂出と分けて買われた方が安くなるかもしれません。坂出〜今治との料金比較はしていませんが。

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