NASを構築したものの、ベンチマーク結果は振るわないものであった。もう少し速度が欲しい。
調べてみると、Jumbo Frameなる技術を使えば速くなる可能性もあるとのこと。挑戦しない理由はない。
Jumbo Frameとは
IT用語辞典 e-Wordsによると、EthernetのハブやLANカードの機能の一つで、Ethernetのデータ送受信単位(フレーム)のサイズを大きくして、効率よく通信を行う機能とのことだそうだ。うーん、アナログ放送が地上デジタル放送になったようなものか?わからん。
もう少し調べると、クライアント、ハブ、NASのすべてがJumbo Frameに対応していなければならないそうだ。
さらにMTUの値を自由に決められるものと、あらかじめ選択肢が用意されたものもあるらしい。
参考:イーサネットを高速化するジャンボ・フレーム技術
では調べてみる。
調査
クライアント
クライアントのNICはBCM57781である。デバイスマネージャを開き、NICの詳細設定のタブをクリックすると、Jumbo MTUなる項目が発見できた。Jumbo Frameの名ではないが、これに違いない。どうもMTUは自由に設定できるみたいだ。クライアント:対応
ハブ
ではハブはどうだろうか。うちのハブはGS105v3である。説明書を読むと、9720Bまで対応しているようだ。ハブ:対応
NAS
残るはNASである。このNICはRTL8111/8168Bである。ドライバをインストールしたときのREADMEを読み返すと、4KBまで対応との記述があった。Transmitting Jumbo Frames, whose packet size is bigger than 1500 bytes, please change mtu by the following command. # ifconfig ethX mtu MTU , where X=0,1,2,..., and MTU is configured by user. RTL8168B/8111B supports Jumbo Frame size up to 4 kBytes. RTL8168C/8111C and RTL8168CP/8111CP support Jumbo Frame size up to 6 kBytes. RTL8168D/8111D supports Jumbo Frame size up to 9 kBytes.NAS:対応
結果
4KBまでのJumbo Frameに対応していることがわかった。実際に値を弄ってどれほど変るか調べてみる。
注意
計測にはCrystalDiskMarkを用いる。Sambaの共有ディレクトリを、テストマシンのネットワークドライブに割り当てる。
テストマシンとNASの間にはギガビットハブ(GS105v3)がある。
CPU | AMD C-60 1.0GHz |
MEM | DDR3-1600 2GB*1 |
Str | WD30FERX 3TB |
NIC | Realtek RTL8111/8168B |
OS | Ubuntu Server 12.04.2 64bit |
CPU | Core i5 3470S 2.9GHz |
MEM | DDR3-1600 8GB*2 |
Str | Plextor PX-256M5S 256GB |
NIC | Broadcom BCM57781 |
OS | Windows 7 Professional SP1 64bit |
初期設定(NAS、テストマシン双方ともMTU:1500であった)での結果は以下のとおり。
計測はMTU:1500→4000→7000→9000を1セットし、複数回行う。またMTU:1500の1回目は初期設定のデータを利用する。
計測
1回目
4000>9000>7000>1500
2回目
1500が一番遅く、4000と9000が速いことがわかる。4000と7000では4000の方が速いことがわかる。
4000>9000>7000>1500
3回目は上位2つ、4000と9000のみ計測する。
3回目
4000>9000
よってMTU:4000が一番速いことがわかった。
まとめ
MTU:1500、4000、7000、9000の値の中では、MTU:4000が良いパフォーマンスをしてくれることがわかった。1の単位で突き詰めると、4000ちょいあたりが最も良い結果をだしてくれると思う。
参考データ
コンピュータのおっとさんがお高い機器のベンチマークを取ってくださっている。比較にとはいえないが、参考程度にどうぞ。高価なストレージを導入する価値はあるのか?ストレージベンチマーク(後編)
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