バックアップは非常に大切である。思い出の画像や動画などは唯一無二だ。もしストレージがクラッシュしたらどうなるかと考えると、安心して夜も眠れない。外付けHDDは安くて勝手はいいが、複数台端末があると、ケーブルの差し替えがめんどくさい。そこでNASを構築することで、安心と利便性を得たいと考えた。
構成
CPU | AMD C-60 1.00Ghz |
M/B | ASUS C60M1-i |
MEM | 2GB*2 |
Strage | UFD : 8GB HDD : 120GB*2 |
PSU | 250W |
Case | NEC S70SDの筐体を利用 |
OS | FreeNAS-8.3.0-RELEASE-p1-x64 |
CPU・マザーボード
AMD C-60はRadeon HD 6290を内蔵した、いわゆるAMD Fusionの一つである。TDPが9Wであるため、低消費電力を目指すにはうってつけ。このCPUをオンボードで搭載しているのが、C60M1-iである。特徴は、SATA3.0ポートが6つあるので、ポートマルチプライヤを用いらずとも、それなりのNASが構築できる所。またMini-ITXでファンレス仕様、デスクトップ用メモリを使用できる所など、ASUSではなくAsRockのだと勘違いしそうな製品である。
付属のSATAケーブルが劣悪なものではなかったので驚いた。さすが天下のASUS様というところか。
メモリ
1GB一枚でも良かったが、流用するときの事を考えて、2GB*2の4GBを選んだ。円安という名の値上げにより、送料を含めると、SanMaxのメモリが一番安かったのが何とも言えない。
本家ではなく、台湾Elpidaチップではあるが、電圧を落として運用している。
ストレージ
これまた円安という名の値上げにより、HDDが高騰しているので新しいのが買えなかった。手元にあったMaxtorの120GB*2を利用。ちなみにMaxtor初のSATA対応モデルである。FreeNASインストール用にUSBメモリも買った。何でも良かったので、電気屋で一番安かったのを選んだ。
ケース・電源
NECの安鯖、S70SDのを流用。MicroATXな筐体にMini-ITXを組み込むので、PCIe x16(x4)は穴がずれるので使えなくなる。
OS
死蔵しているWindows8を用いてNASを構築しても良かったが、FreeNASに関心があったので、こちらを導入。Linuxにsambaを組み合わせて使うよりも簡単なのか知りたかった。
構築
組み込み
MicroATX筐体にMini-ITXを組み込むのだから、配線など気を遣わなくていい。何の問題もなく組み終わる。FreeNASのインストール
USBメモリには、あらかじめDDコマンドでイメージを入れておいた。設定は当初ZFSでCIFSにしていた。しかし、仕様用件にメモリがZFS環境では6GB以上との記述があることに気づき、後にUFSに変更した。
さすがに6GBは厳しいように感じる。
Wake On Lanの設定
シャットダウンはWebから行えるが、起動はできない。いちいち電源を入れに行くのが面倒なので、WOLを設定する。今回は"Magicsend"を使わせていただいた。機能がシンプルで、使いやすい。
・[Magic Packet受信側]マザーボード側の設定
- POST段階で[Delete]を押し、UEFI BIOS Utilityに入る。
- 右上の"Exit/Advanced Mode"をクリックする。
- メニューバーの"Advanced"を選択する。
- メニューの"APM"を選択する。
- PMEを"Disabled"から"Enabled"に変更し、Wake On Lanを有効にする。
・[Magic Packet受信側]MACアドレスを調べる
- ブラウザを立ち上げ、FreeNASにアクセスする。(例.http://192.168.11.10/)
- 左カラムの"Shell"を選択する。
- ifconfigと入力し、"ether"の欄に書かれているMACアドレスを控える。
・[Magic Packet送信側]
- Magic Packetを送信できるツールを入手する。(例.Magicsend)
- MACアドレスを入力し、送信する。(IPアドレスを入力するソフトもある)
性能
この数値でもストリーミング再生するには何ら問題はない。
iSCSIを設定していればもっと速いのかもしれないが、たかが個人ユースでそこまですることもないだろう。
追記
遅い原因が判明した。ハブとNASがCAT5のLANケーブルで繋がっていたからであった。急いでCAT6のにつなぎ替えると十分な速度が出るようになった。てっきりFreeNASが原因かと思って、CentOSとSambaで再構築した直後の話である。もっと早く気づけば・・・。
下の画像はCentOS 6.4とSamba 3.6.9環境でのベンチマークである。またHDDもWDのNAS用に取り替えている。
構築費用
メーカー名 | 製品名 | 価格 |
---|---|---|
ASUS | C60M1-i | 6,500 |
SanMax | SMD-4G68NP-13H-D | 2,680 |
BUFFALO | MB-RUF2-8GB | 410 |
これにHDDを購入すれば、2万円台後半になるであろう。
決して安いとはいえない。
課題
・省電力と謳いつつも、ワットチェッカーを所持していないので、真偽のほどは分からない。また消費電力に関して、PicoPSUに代表されるようなDC-DCコンバータ+ACアダプタを用いれば、さらなる省電力化が可能であろう。
・MicroATX筐体なので邪魔
・構築費用が結構かさむ
・
総評
1万円切りでNetgear製のNASベアボーンが買えると考えると、そこまでメリットがあるとは思えない。ただ、デスクトップに転用できることを考えると安いのかもしれない。
リンク
ソフトウェア MagicSend - Ex-grouphttp://www.ex-group.jp/newpage/software00.html
追記
完成版できました
[完成版]AMD C-60を用いた低消費電力で静かなNASを構築する:ハード編
[完成版]AMD C-60を用いた低消費電力で静かなNASを構築する:ソフト編
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