「日本のパソコンメーカーといえば」と問うと、富士通やNEC、東芝などが挙がるであろう。
大手松下も昔からノートパソコンを発売している。それが「Let'snote」だ。海外では「TOUGHBOOK」として展開している。
「レッツラー」なる熱狂的信者も存在している本製品、一時期のトラックボール問題は、転換期を迎えている製品に、どこまで既存ユーザの声を重視すればいいかを考え直す問題として、あまりにも有名である。
しかしなにぶん一般ユーザーにはあまり馴染みがない。
それもそうだ。このパソコンはモバイルノートだし、まして一般利用で使用するにはあまりに耐え難いものがある。
「表示できればいい」レベルのディスプレイ、「ビープ音がなればいい」だけのモノラルスピーカー、「打鍵感の足りない」キーボード。
これだけの犠牲があるなか、20万近くするようなパソコンを購入するだろうか?
なぜ購入したのか
Let'snoteの魅力は、バッテリーの持ちと軽さだ。文章を打つだけの作業ならば、バッテリーSでも6時間もつ。そしてこのバッテリー装着時なら、1.1kgと驚異的な軽さを実現している。通常の私ならば間違いなくThinkPadを購入してる。ThinkPadもモバイルノートの代表格だ。
Let'sntoeより確実に重いが、打鍵感のあるキーボードとIPSパネルを搭載したことによる鮮やかなディスプレイ、なにより壊れても、そこいらで部品が出回ってるのを買ってこれば、簡単に修理することができる。その上、Let'snoteより格段に安い。
重さと駆動時間が妥協できるなら、間違いなくThinkPadである。
今回は、その内の一つ、「重さ」が妥協できなかった。だからLet'snoteを購入した。
ちなみにではあるが、Macbook Airも検討した。しかし発色がおかしいディスプレイと、Windowsをどうせ使うのに何故Macを買うのかとも考えて、あきらめた経緯がある。
概要
松下の大本営発表によると、SX1・NX1は第四世代のLet'snoteにあたるそうだ。なんでも天板の凹凸を少なくすることで、薄型化を計っているとのこと。
実際にその辺に転がっていたR6と比べてみると、その差は歴然である。
幅の狭いかばんに入れて持ち歩く私にとって、薄型化の流れは素直にありがたいものだ。
しかしキーボードの全面防滴は省かれているとのこと。これは薄型化のための弊害なのか。
大きな魅力として、バッテリーは標準で2本付属している。軽くて駆動時間の短いバッテリーSと、駆動時間は長いものの少々重いバッテリーLである。普通であればショートバッテリーが標準で、ロングバッテリーが1万円ほどで別途購入しなければならないので、とてもありがたい。SとL両方を自宅で満タンにしておけば10時間以上は持つ計算になるので、日帰りであればACアダプタを持ち歩く必要がなくなる。しかもそれが標準状態で揃っているあたりが日本企業らしい。
またACアダプタも2種類付属している。一般的なACアダプタと、小さくて軽いが起動しながら充電ができないミニタイプのACアダプタである。起動中はバッテリーだけで運用するなら、ミニタイプのACアダプタを持ち歩くだけで済む。よく考えられていると感心した。
ざっとした性能
型番 | CF-NX1GEADR |
---|---|
CPU | Core i5 2520M |
メモリ | DDR3L 4096MB |
ストレージ | HDD 500GB |
グラフィック | Intel HD Graphics 3000 |
ネットワーク | Intel Centrino Advanced-N 6250 Intel 82579LM Gigabit Network Connection |
OS | Windows7 Professional SP1 64bit |
ここ最近のLet'snoteは、通常電圧版のCPUを搭載している。私のCF-NX1GEADRだとCore i5 2540Mが搭載されている。これはi5シリーズのなかで最上位に君臨するモデルだ。
メモリは4GB一枚構成。もう一枚同じのを増設するとデュアルチャンネルになり、IGPの性能も向上するだろう。
ストレージは500GBのHDDだ。標準だとこいつが足を引っ張ってもっさりしている。購入後すぐにSSDに取り替えた。今は非常に俊敏な動作をしてくれている。
チップセットはQ67Mが搭載されている。これ自体はSATA3.0に対応しているが、電力の削減為なのかわからないがSATA2.0に制限されている。
この違いはモバイルノートでするような作業にはなんら影響はないし、またメインとして使ってもそうそうわかるものではない。
また上述のとおり、バッテリーの持ちは目を見張るものがある。自身が重い作業をしないからという理由もあるだろう。これは憶測だが、動画をひたすら再生したとしてもSバッテリーで4時間は持つはずである。
使ってみて
Let'snoteの特徴的なデバイスとして「くるくる」がある。正式名称は調べてないが、トラックパッドの縁をクルクルするとスクロールするものだ。しかしくるくるの性質上、ThinkPadの赤乳首より、指を動かす範囲が大きくなる。長時間使っていると意外に疲れてくる。また気になったのが、ファンがすぐ回ることである。
これだけの筺体だからすぐに熱を出す必要があるのだろうが、これがかなりうるさい。
いろんな家電のファンが鳴っているなかLet'snoteを触っても、こいつが発生源の音はすごく聞こえる。
スタバでMacでドヤ顔ではないが、喫茶店のような環境でも、ファンが回りだすとうるさい。
今ままでの機種でもうるさいとの記述を多々見かけるので、これはパナソニックのお家芸なのだろうか。
ディスプレイの視野は狭い。少しでも角度を変えると見えづらくなる。だが正面から角度を合わせて見る分には悪くない発色である。駆動時間を優先するためには、TNパネルしか選択肢がないのだろうか。
軽さとバッテリーの持ちは文句なし。バッテリー関しては、未だに切れるまで使ったことがないくらいだ。
かばんに入れても前のパソコンより軽くなったので、疲労が軽減したのも大きい。
キーボードは至って普通の打ち心地である。ただ半角/全角キーがESCの右隣にあるのが非常に気になる。通常ならば数字キーの左隣りにあるため、ついついミスタッチをしてしまう。購入当初は相当ミスしていたが、最近は慣れたのかミスタッチがほとんどなくなった。
まとめ
Let'snoteはべらぼうに高い。標準でSSDモデルを購入しようものなら、優に20万円を超えてくる。それなりの性能とバッテリー駆動時間に20万円という価格をいかに見出せるかが購入の鍵となるだろう。
いや、Let'snoteをコストという尺度で量ること自体が間違いかもしれない。
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